〔056〕鹿島槍ヶ岳 (2,889m)
2005年09月17日(当時56歳)
大谷原 | 林道終点 | 高千穂平 | 冷乗越 | 冷池山荘 | 布引岳 | 鹿島槍ヶ岳 |
5時58分 | 6時40分 | 8時18分 | 9時08分 | 9時20分 | 10時15分 | 10時55分 |
鹿島槍ヶ岳 | 布引岳 | 冷池山荘 | 冷乗越 | 高千穂平 | 林道終点 | 大谷原 |
11時19分 | ---- | 12時28分 | ---- | 13時23分 | 14時48分 | 15時41分 |
前日の移動
五竜岳下山後は温泉で汗を流し、白馬駅前で夕飯を食べてから鹿島槍登山口の大谷原まで移動する訳であるが、五竜岳と鹿島槍は隣り同士の山であり縦走しても5時間程の距離なのに、登山口は五竜遠見尾根を中心にぐるっと一周する感じで周り込まなければならない。
大谷原登山口
登山口の駐車場と言うより、河原遊び、渓流釣り者用の駐車場があり、綺麗なトイレもある。
駐車場から橋を渡った林道ゲート前には数台の車を停めるスペースがあり、先行車が2台停まっていたが、その間に割り込んで車を停める。 周辺はキャンプ禁止となっているが、河原では焚き火を囲んで遅くまで騒ぎ声が聞こえていた。
大谷原からの赤岩尾根の登山道は展望が利かない急登が続くので嫌われているらしいが、柏原新道の登山道は距離が長く日帰り出来そうにないので、今回は迷わずに
大谷原登山口を選んだ。
ゲートを越えて ”大冷沢”沿いに歩き始める。 林道は広く立派な
道であり、何故、車は進入禁止になっているのかは判らなかった。
流失した道路は復旧が終わっており問題はなかった。
県道325号線の終点である ”大谷原”にて大冷沢の橋を渡る
と林道ゲート前となり、道路脇の狭いスペースに車を停める。
”赤岩尾根”も終盤になるとガレ場となり、崩落帯のトラバース路も出てくる。
赤岩尾根を登り続け、せっかく稼いだ標高を ”乗越越”から
”冷池山荘”までの下りで吐き出すことになる。
尾根筋の縦走路を ”布引岳”に向けて進む。
吹き抜ける風が涼しく気持ちが良いが、直登の登りは息が切れた。
ヤセ尾根の先には ”鹿島槍ヶ岳の南峰”が見えていた。
”鹿島槍”への登山道は山頂に向けて真っ直ぐに伸びていた。
登り時にはこれだけ晴れていた尾根道だが下り時には一変して幻想的な姿を見せてくれた。
林道途中から見えた山容であるが山名は同定出来ていない。
正面奥が ”鹿島槍ヶ岳”でないかと思えるが・・・
林道を42分歩くと林道終点となり堰堤の中にあるトンネルを抜けて右岸に渡る。
珍しい堰堤下のトンネル道。 中には小窓があり沢の流れが見えた。
増水時は沢水が逆流しそうな感じである。
林道終点からは ”赤岩尾根”の急登となり、木製の梯子、階段が数え切れない程
出てくる。樹林帯で風が通らず蒸し暑い。
全般に展望の利かない ”赤岩尾根”であるが、所々からは ”鹿島槍”の山容が見て取れた。
距離が近い分、登りの勾配はきつく、標高をどんどん稼いでいく。
8時18分、2時間20分で展望の良い ”高千穂平”に着く。
ここには登り、下りの3グループが休憩していたが、休憩無しで
通過する。 展望の良い場所は下から風が吹き上げ涼しい。
崖っぷちのトラバース路ではあるが危険箇所はなかった。
9時08分、3時間10分を要して ”冷乗越”(赤岩尾根分岐)に着く。
ここで展望は大きく開け、西に立山連峰、南に爺ヶ岳
北にこれから登る布引岳、鹿島槍ヶ岳が望めた。
鞍部まで下り、登り返して 3時間22分で ”冷池山荘”に着く。
左側に ”冷池”があったが落葉が浮いており綺麗な池とは言えなかった。
”布引岳”への登り途中からら振り見た ”爺ヶ岳”(2,670m)の山容。
”赤岩尾根”から登る人より ”爺ヶ岳”から縦走して来るハイカーの方が多いようだ。
南側から見る ”鹿島槍ヶ岳”は名前にそぐわず槍の感じが薄かった。
3連休でもあり、山頂には沢山の人が休憩していた。
”五竜岳”から縦走して来た人、 ”五竜岳”に向う人も多かった。
下山時、ヤセ尾根がオリフィスとなってガスをどんどん作っていく現象を
見ることが出来た。 実際にはガスに激しい動きがあり幻想的な光景であった。
個人的には大感動してしまい、写真を何枚も撮る。
山頂付近はガスで覆われて周辺の山が見えなくなってしまったが、
しばらくガス切れ待ちをすると ”五竜岳”は見える様になったが、
直ぐ隣りの ”北峰”は最後まで見えなかった。
深田久弥著の「日本百名山」から
鹿島槍は私の好きな山である。高い所に立って北アルプス連嶺が見えてくると、まず私の眼の探すの
は、双耳峰を持ったこの山である。 北槍と南槍の両峰がキッとせり上がっていて、その二つをつなぐ、
やや傾いた吊尾根、その品のいい美しさは見倦きることがない。